VSCodeで最小限のLaTeX環境を整備する
Visual Studio Code(以下、VSCode)1.5でLaTeX環境を整備したのですが、参考にしたページの設定が心理的な参入障壁になりそうなほど頑張っていたので、備忘録をかねてWindows 10でplatex/pbibtexを使うだらっとした最小限の設定を紹介します。
1. LaTeXのインストールと設定
4GBあるTeX Live 2020のISOイメージをダウンロードしてきてインストールします。Windows 10であれば、ダウンロードしたファイルを右クリックしてマウントすると、ドライブが割り当てられるので、ドライブを開いてinstall-tl-windows.batを実行します。
イマドキはlatexmkコマンドを使ってTeXのコンパイルをするので、その設定になる%USERPROFILE%\.latexmkrcを作ります。notepadに、
$latex = 'platex -synctex=1 %O %S';
$bibtex = 'pbibtex %O %B';
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S';
$makeindex = 'mendex %O -o %D %S';
$max_repeat = 10;
と書いて、ファイル種類を*.*、ファイル名を%USERPROFILE%\.latexmkrcで、名前をつけて保存してください。これでlatexmk -pdfdvi example.texで、example.pdfが作れるようになります。
分野ごとの参考文献の表示スタイル(e.g. jecon.bst)などもこの段階で追加しておきましょう*1。
2. VSCodeのインストールと設定
VSCodeの公式サイトからダウンロードしてきて、インストールします。続けて、LaTeX WorkshopとJapanese Language Pack for Visual Studio Codeの2つの拡張機能を、ショートカットCTRL + SHIFT + Xを押すか、以下のアイコンをクリックしてVS Code Marketplaceのペーンを呼び出し、検索してインストールします *2。
これで.texファイルと.bibファイルの編集でシンタックスハイライトと言うか色分け表示してくれるようになり、コード補間が効くようになります。
次に、VSCodeで.texファイルを編集中にウィンドウ内右上の三角形のRunボタンを押したときの挙動を設定します。notepadかVSCodeで%APPDATA%\Code\User\settings.jsonを開いて、
// for LaTeX
"latex-workshop.latex.recipes": [
{
"name": "latexmk",
"tools": [
"latexmk"
]
},
],
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name": "latexmk",
"command": "latexmk",
"args": [
"-pdfdvi",
"%DOC%",
],
},
],
をファイル内先頭の{と最後の}の間に挟みます。なお、このファイルはフォントサイズやタブ幅などVSCodeのエディターの諸々の設定を書いておける場所で作りこむことが可能です*3が、上のようなコマンド変数以外は、VSCodeでCTRL + ,を押してダイアログ的な画面を使った方がよいかも知れません。
*1: jecon.bstの場合は、jecon.bstを落としてきて、C:\texlive\2020\texmf-dist\pbibtex\bstに放り込むだけになると思います。